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横浜下町パラダイスまつりとは?
ART LAB OVA
ART LAB OVA
異文化×異世代ミックス・ジュース
よこはま若葉町多文化映画祭+
横浜下町パラダイスまつり


毎年夏の終わりに開催している、映画を通じて身近な”世界”を考える「よこはま若葉町多文化映画祭」と、若葉町周辺を舞台にアーティストたちが企画する「横浜下町パラダイスまつり」。 国際色豊かな下町で映画をみて、近所で食べたりおしゃべりしたり。 学んで遊べる9日間!

Centering around Cinema Jack & Betty, the last traditional cinema house in Yokohama, we are going to host art and film festivals involving nearby stores of Japan, Thailand, Korea and China. We explore charms of back streets in covert and look for the new feature of the downtown with multinational children.
<写真は、帽子おじさんと家族劇団「山縣家」>


●会場
  ①横浜シネマ・ジャック&ベティ+横浜パラダイス会館(シネマ・ジャック&ベティ1階)
②横浜市中区若葉町界隈

●主催
  横浜下町パラダイスまつり実行委員会+よこはま若葉町多文化映画祭実行委員会

●共催
・Art Lab Ova(アートラボ・オーバ)
*映画館1階に拠点「横浜パラダイス会館」を運営し近所のこどもたちに開放しています。
http://www.facebook.com/artlabova
・シネマ・ジャック&ベティ
*多文化な下町にある"まちの映画館"
http://www.jackandbetty.net/


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2010年04月28日

★宮下公園について【大澤寅雄氏のコメント】

「NIKEパーク化問題」渦中の宮下公園について考えることは、地域とアートを考える上で重要なことだと考えています。
実際、アート関係者に話してみると、みなさんこの問題に高い関心をもっています。
しかし、なぜか、議論が表面化しません。
そこで、いろいろな人からコメントをもらうことにしてみました。
このコメントをきっかけに、いろいろな人が、それぞれの立場で、いろいろな場所で、考えたり、議論したりしてもらえるといいなあと思います。

今回は、文化政策やアーツマネージメント系のお仕事をされている大澤寅雄さんから、コメントをもらいました。
*「とらおさんなら、今、阻止をしながら活動するとしたら、どういう方法をとりますか?」というオーバの質問に対して、加筆してくれました。

▼宮下公園について

大澤寅雄(おおさわ・とらお)
http://toraodoc.blogspot.com/


こんにちは。
大澤寅雄(おおさわ・とらお)と申します。
芸術と社会の関係を調査したり研究したりしています。

芹沢さんもお書きになっているように、実は私も、渋谷が苦手で
宮下公園も長い間、行ってないんです。が、各方面から情報は
いただいていましたし、高い関心を持って注視しています。

芹沢さんのコメントを読ませていただいて、私が頷いたポイントは、
“「ホームレス排除」だけの問題に集約して「闘争」化してしまったら、
もったいない気もする”という言葉です。もしかしたら、渋谷という
街全体が「お祭り化」しているからなのかもしれませんが、宮下公園も
お祭りのイベント会場の一つになっている印象があって、だとしたら
「闘争」も「お祭り」の一部でいいんだろうか?と思ったりします。

例えばですが、私は昨年の夏、家族三人で、都内の別の公園にある
小川てつオさん、いちむらみさこさんが主宰するエノアールカフェに
お茶を飲みに行ったことがあるんですが、それは、いま思い出しても
素敵な場所と時間でした。そこは静かな場所でした。穏やかな時間が
流れていました。幸せとは何か、考えさせてくれました。

「幸せ」と言えば、ブータン。インドと中国に挟まれた貧しい小国。
前の国王が提唱した「国民総生産」にかわる「国民総幸福量」という
概念があって、「世界一幸せな国ブータン」として知られています。
2007年に初めて行われた国政調査で、『あなたは今幸せか』という
問いに対し9割が『幸福』と回答したそうです。

「国民総生産」では世界最貧国の一つ。だけど「国民総幸福量」は
世界でトップ。私は、グローバル経済と高度情報化社会の中で
ブータンという国がいまも存在することは、奇跡だと思います。
同時に、人間にとって幸せとは何かを永遠に考えていくために、
地球上にブータンのような場所を失ってはならないと思います。

宮下公園が「東京のブータン」と言われるような場所になって
幸せとは何かを考えさせてくれる場所になるといいなぁ、と
思ったりする今日この頃です。

…と、ここまでのコメントを送ってから、コメントを依頼してもらった
蔭山ヅルさんから「とらおさんなら、今、阻止をしながら活動するとしたら、
どういう方法をとりますか?」というメールが帰ってきました。

私にはいいアイデアが浮かばないんですが、宮下公園がいまのような
状態になった一つの要因、しかもかなり大きな要因としては、
私たちの知らない間に「公共」とか「民主主義」という言葉は摩耗して
薄くて固い殻だけになっているからだと思います。OurPlanet-TVの
「宮下公園 Tokyo/Shibuya」を見れば、その薄くて固い
殻の随所に、ひび割れがあることが、よく分かります。
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/351

宮下公園が、宮下ナイキパークに変わることを阻止するための方法は
私はすぐには思い浮かばないんです。けれども、宮下公園のような
状況が広がらないためには、「話し合う」しかないと思うんですね。
バカみたいな答えですけど。でもたぶん、話し合うことを放棄して
他者に任せているから、「公共」や「民主主義」が空っぽになった。
だから公園に集まって話し合う。そのために公園がある、と言っても
いいような気がします。

さらに言うと、空っぽになった公共や民主主義の、固い殻を
壊すため、そして再生させるためにも、アートの果たす役割は
決して小さくないと思います。多様な価値観を照らし出し、
ある時は多様な価値観を対峙させ、ある時は共存させるための媒介が
アートだと思うんです。だから宮下公園で展開されているアートを、
ぜひドキュメントして、ぜひ展覧会を
開催してほしいと思います。






【参考】

▼みんなの宮下公園をナイキ化計画から守る会
http://minnanokouenn.blogspot.com/

▼A.I.R Miyashita Park
宮下公園 アーティスト・イン・レジデンス
http://airmiyashitapark.info/wordpress/

★いちむらみさこの宮下公園ガイドツアー2010/04/19
http://downtownart.hama1.jp/e837076.html

★小川てつオインタビュー@宮下公園2010/04/19
http://downtownart.hama1.jp/e838124.html

★いちむらみさこin宮下公園「自殺者3万人の墓」
http://downtownart.hama1.jp/e838300.html



▼横浜下町パラダイスまつり*よこはま若葉町多文化映画祭

●会期 2010年8月28日(土)〜9月05日(日)

●会場 1)シネマ・ジャック&ベティ
      横浜市中区若葉町3-51

     2)横浜市中区若葉町界隈の商店

●主催 ART LAB OVAアートラボ・オーバ
     *アーティストがへんてこかわいいことをしているプロジェクト
     http://artlabova.org
     
     よこはま若葉町多文化映画祭実行委員会

●共催  横浜最後の名画座と唯一の独立系「まちの映画館」
      シネマ・ジャック&ベティ
      http://www.jackandbetty.net/

Asahi Art Festival


  

Posted by ART LAB OVA at 02:12Comments(0)★地域とアート