2009年09月10日
★「おくのびっしょり道~物語と音響の戯れ~」報告
詩人の中村剛彦から、先日の企画「おくのびっしょり道~物語と音響の戯れ~」のレポートが届きました。
▼「おくのびっしょり道~物語と音響の戯れ~中村剛彦×スズキクリ」
(2009,8,28@カフェ・ジャック&ベティ) by中村剛彦
今回の「おくのびっしょり道~物語と音響の戯れ~」では、過去4回ほど複数の詩人とで行った「詩×音響」の実験ではなく、私とスズキクリ氏との二人での、「散文(物語)×音響(言葉の断片)」の実験となった。
その理由は、詩と音楽の会のようなものはありきたりであるし、即興的なライブならば、詩のような極度に意味と音が凝縮、削除、洗練された作品よりも、もっとドロドロと流れ出る言葉の奔流のような散文の方がいいのではないかというのが一つ。さらには、この数年、現実を直視する新しい言葉を掴むために、終りのない家族殺しの私小説を書いてきたが、この「物語」化する行為に対してモヤモヤとした疑念もあり、即興ライブによって「物語」る行為の罠を炙り出し、打開の糸口にしたかったこともある。
リハーサルを数回行う中で、朗読は、自分のテキストに、全く関係のないテキストを混ぜ、スズキクリ氏の言葉のサンプリングと合わせて即興でやってみることになった。また何回か繰り返すうち、最初はスズキクリ氏の繰り出す音(ことば)と、朗読の言葉を重ねることも試みたが、パフォーマティブになり過ぎてしまうので、最終的には、それぞれ交互に行うことで、声、言葉、音、物語の姿を全面に出し、最後はその場で即興の物語の終結部を作ることにした。
ライブのあと、お客さんの感想では、朗読にもっとメリハリがほしい、朗読の言葉があるから、音の方は言葉のサンプリングじゃない方が意識が散漫にならなかったのでは、などあったが、個人的にはいい感触を掴めた。
まず自分の言葉を相対化できたこと、自分がやりたい散文は「物語」というより、記憶の断片の集積であることに気づいたこと、またよりライブ的散文表現の可能性を見出せたことが挙げられます。
今後は、お客さんとの距離をもっと縮め、よりテキストのコアな部分を全面に出すことで、自ずと飽きることのない即興ライブができるのではないかと考えています。
「奥のびっしょり道~物語と音響の戯れ 中村剛彦×スズキクリ」
中村剛彦による、失われた黄金町の夜物語を即興俳句まじりの朗読。
そしてスズキクリによる音響としての語りの断片が、浮かび上がってくる物語と共に空間を漂う。
・日時 2009年8月28日(金)19:00~(18:00開場)
・会場 シネマ・ジャック&ベティ1階カフェ
・料金 500円
▼横浜下町パラダイスまつり*よこはま若葉町多文化映画祭
●会期 2009年8月22日(土)〜8月30日(日)
(映画館での映画祭は8月28日(金)まで)
●会場 1)シネマ・ジャック&ベティ
シネマ・ジャック&ベティ・カフェ
横浜市中区若葉町3-51
2)横浜市中区若葉町界隈の商店
▼多文化映画祭から見た「ざっくりスケジュール」
http://downtownart.hama1.jp/e115168.html
▼アートまつりから見た「ざっくりスケジュール」
http://downtownart.hama1.jp/e114725.html
●主催 ART LAB OVAアートラボ・オーバ
*アーティストがへんてこかわいいことをしているプロジェクト
http://artlabova.org
よこはま若葉町多文化映画祭実行委員会
●共催 シネマ・ジャック&ベティ
*横浜最後の名画座とミニシアターをもつまちの映画館
http://www.jackandbetty.net/

▼「おくのびっしょり道~物語と音響の戯れ~中村剛彦×スズキクリ」
(2009,8,28@カフェ・ジャック&ベティ) by中村剛彦
今回の「おくのびっしょり道~物語と音響の戯れ~」では、過去4回ほど複数の詩人とで行った「詩×音響」の実験ではなく、私とスズキクリ氏との二人での、「散文(物語)×音響(言葉の断片)」の実験となった。
その理由は、詩と音楽の会のようなものはありきたりであるし、即興的なライブならば、詩のような極度に意味と音が凝縮、削除、洗練された作品よりも、もっとドロドロと流れ出る言葉の奔流のような散文の方がいいのではないかというのが一つ。さらには、この数年、現実を直視する新しい言葉を掴むために、終りのない家族殺しの私小説を書いてきたが、この「物語」化する行為に対してモヤモヤとした疑念もあり、即興ライブによって「物語」る行為の罠を炙り出し、打開の糸口にしたかったこともある。
リハーサルを数回行う中で、朗読は、自分のテキストに、全く関係のないテキストを混ぜ、スズキクリ氏の言葉のサンプリングと合わせて即興でやってみることになった。また何回か繰り返すうち、最初はスズキクリ氏の繰り出す音(ことば)と、朗読の言葉を重ねることも試みたが、パフォーマティブになり過ぎてしまうので、最終的には、それぞれ交互に行うことで、声、言葉、音、物語の姿を全面に出し、最後はその場で即興の物語の終結部を作ることにした。
ライブのあと、お客さんの感想では、朗読にもっとメリハリがほしい、朗読の言葉があるから、音の方は言葉のサンプリングじゃない方が意識が散漫にならなかったのでは、などあったが、個人的にはいい感触を掴めた。
まず自分の言葉を相対化できたこと、自分がやりたい散文は「物語」というより、記憶の断片の集積であることに気づいたこと、またよりライブ的散文表現の可能性を見出せたことが挙げられます。
今後は、お客さんとの距離をもっと縮め、よりテキストのコアな部分を全面に出すことで、自ずと飽きることのない即興ライブができるのではないかと考えています。
「奥のびっしょり道~物語と音響の戯れ 中村剛彦×スズキクリ」
中村剛彦による、失われた黄金町の夜物語を即興俳句まじりの朗読。
そしてスズキクリによる音響としての語りの断片が、浮かび上がってくる物語と共に空間を漂う。
・日時 2009年8月28日(金)19:00~(18:00開場)
・会場 シネマ・ジャック&ベティ1階カフェ
・料金 500円
▼横浜下町パラダイスまつり*よこはま若葉町多文化映画祭
●会期 2009年8月22日(土)〜8月30日(日)
(映画館での映画祭は8月28日(金)まで)
●会場 1)シネマ・ジャック&ベティ
シネマ・ジャック&ベティ・カフェ
横浜市中区若葉町3-51
2)横浜市中区若葉町界隈の商店
▼多文化映画祭から見た「ざっくりスケジュール」
http://downtownart.hama1.jp/e115168.html
▼アートまつりから見た「ざっくりスケジュール」
http://downtownart.hama1.jp/e114725.html
●主催 ART LAB OVAアートラボ・オーバ
*アーティストがへんてこかわいいことをしているプロジェクト
http://artlabova.org
よこはま若葉町多文化映画祭実行委員会
●共催 シネマ・ジャック&ベティ
*横浜最後の名画座とミニシアターをもつまちの映画館
http://www.jackandbetty.net/

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★Philippe LALEU's work@バイクラパオー
★来島友幸作品@伊勢佐木町「まめや」報告
★「弱音サウンドインスタレーション」ライブ報告
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★「これからのアート・プロジェクトはどう変わる?」報告
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Posted by ART LAB OVA at 00:17│Comments(0)
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